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美濃国幕領御膳籾

2023.09.15

 御膳籾とは、江戸時代、徳川将軍をはじめとする大奥の人々が食べるために献上された米のことをいいます。御膳籾は、全国でも美濃国(現在の岐阜県南部)の幕府直轄領(幕領)のみが納めることに決まっており、各務原市域の幕領でも作られていました。

 各務原市域は、幕領や尾張藩領、旗本領などが入り混じる地域でした。幕領は、境川(現在の新境川)沿いの、古来より稲作に適した地域に広がっていました。

 各務原市域では、元禄七年(1694)の古文書で御膳籾の献上を確認できるのが、最も古い記録です。御膳籾は、美濃国の幕領の村々に納入量が割り当てられますが、御膳籾を実際に作ることができる地域は、幕末には各務郡・山県郡・武儀郡・加茂郡の四郡のみとされていました。その他の郡の村々は、この四郡で生産された御膳籾を購入して納入していました。各務郡の須衛村・各務村・伊吹村・古市場村・前野村は、生産できない村の分まで御膳籾を作る「引請村」に指名されていました。

美濃国内の御膳籾生産

 美濃国の幕領を管轄する美濃郡代は、生産する村々に対し、大切に作り慎重に選別するよう命じていました。御膳籾には、「児弥六(ちごやろく)」など、前年最も品質の良かった品種の種籾が用意されます。肥料は下肥(しもごえ)(糞尿(ふんにょう)を肥料にしたもの)の使用は禁止されており、干(ほし)鰯(か)、油粕(あぶらかす)などの金(きん)肥(ぴ)を購入して使用していました。苗の頃から念入りに手入れをし、刈り入れの時には他の稲と混じらないように気を付けながら刈り取りました。選別・梱包・輸送にもさまざまな決まりがありました。

御膳籾御廻米御廻状 享和元年(1801)各務原市歴史民俗資料館所蔵

 美濃国の幕領の年貢米は、江戸に運ばれていました。御膳籾も同様に、川(かわ)湊(みなと)まで運ばれた後、船で伊勢国桑名まで運ばれ、大きな船に積み替えられて、海路江戸へ送られました。江戸に着くと、江戸城の「御舂屋(おつきや)」という施設で精米されます。一粒ずつ選別し、欠けた米粒は取り除いた上で、江戸城内の御膳所(ごぜんしょ)で調理されました。

御舂屋(おつきや) 御舂屋での米の選別(イメージ図)

 江戸時代、なぜ他のどの国でもなく、「美濃国」で御膳籾を献上する決まりとなっていたのかは、まだわかっていません。江戸で作成された米の番付では、美濃米の品質は高く評価されていました。品質の高さを買われて、美濃国が御膳籾を納めると決められていたのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

アイガモロボットを使い田植え直後の抑草を行っている様子

 9月上旬の生育の様子

 令和五年に新たな形で復活した「美濃国幕領御膳籾」は、魚粕や油粕を含んだ肥料を使い、江戸時代に幕領であった地域の水田で特別栽培米として生産しました。江戸時代には「籾性(もみしょう)」(籾の品質)を勘定所が吟味し、来年の御膳籾の種籾にする品種を決めていましたが、現代に復活した御膳籾の品種はハツシモ岐阜SLを採用しました。粒がとても大きく見た目も味も良いハツシモは、御膳籾に相応しい品種であると言えるでしょう。

各務原市歴史民俗資料館

学芸主事 長谷健生

 

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 JAぎふでは、各務原管内のJAぎふ支店(蘇原支店、稲羽西支店、稲羽東支店、那加支店、各務支店、鵜沼支店、鵜沼西支店、みどり坂支店)、東部営農経済センター、ファーマーズマーケット菜々の里で特別栽培米美濃国幕領御膳籾として販売するほか、JAぎふのネットショップで販売をします。なお、数量に限りがございますので、売り切れ次第終了となります。

 ※製品は精米で販売しています。予めご了承ください。

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【300g150円(税込)】

【1㎏450円(税込)】

 【贈答用箱(2㎏×2袋)送料込3,000円(税込)】

✿御膳籾は特別栽培米として生産しています。節減対象農薬の使用状況は下記のとおりとなります。

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